「母上、お呼びですか?」


 週末(王宮)に帰ると早速母である王妃に呼び出された。丸テーブルがあり母の座る前に用意された椅子に座る。

「少し聞きたいことがあるのだけれど? 良いかしら?」


 若干の怒気を含んだ声……何かやらかしただろうか? 急ぎの書類などないはずだ。


「はい、勿論です。何かありましたか?」


 心当たりは……


「セリーナの事なんだけど」


 ……!!


「セリーナに何か! もしかして昨日の外出で体調不良になったとか!」

 慣れない街歩きで靴擦れをしたとか? 食べ慣れないものを食べてお腹を壊したとか? 王宮医師の手配を! ガタンッと席を立つ。