「殿下、ジュリアナさんですが、少々不敬ではありませんか?」


「何かあったか?」

「殿下の事をお名前でお呼びしていました。名前呼びを許されたのですか?」

「許した覚えはない」

「それではきちんと咎めなければいけません。学園と言ってもそこはきちんとしなくては他の生徒に示しがつきませんよ」

 いつの間に名前で呼ばれていたのだろうか? 私の名前を呼んで欲しいのはセリーナだけだ。


「分かった。三ヶ月の世話役だと思って適当に相手にしてきたが、セリーナが聞いたらよく思わないだろうな。誤解されては困る」


「えぇ、そうです。そのセリーナ嬢ですが本日は王都の市民の街へ行かれたようですよ」