「久しぶりにセリーナを近くで見た! 前髪を切った様だ! 可愛かった!」

 生徒会室でクッションを抱くジェフェリー。


「それで挨拶くらいはしたんですか?」


 側近の一人が言った。


「頭は下げたけど、気付いていたかなぁ?」

「……気付いていませんね。それに頭を下げても目が合わない限り、自分に会釈されただなんて思いませんよ」

「え! そんなもの? 心の中ではいっぱい話しかける練習はしたんだが、セリーナが可愛すぎて目が合うと固まってしまって、うまく話せないんだ……可愛いって罪だな」


「十年間も進歩なしってある意味尊敬しますよ……」


「だ・か・ら! なんとかしなくちゃいけないと頑張っているんだ! あの平民の子がセリーナと同じクラスじゃなかったら受けなかったよ! 正直面倒だし、それならセリーナの世話をしたい!」


「大事な役目ですよ? 王族が平民と同じ学園で学び、世話をする。こんな事卒業後はあり得ませんからね。それに学園は皆平等と言う規則に基づいていて殿下の評判もあがりますしね」


「私はセリーナから評価されたいだけ。あの子の世話役をするとセリーナのクラスにも堂々と行けるし、セリーナを間近に感じられて良い!」


「そろそろ交流をお持ちになってください」


 呆れた様子の側近達だった。