「今日こそはお茶に誘えましたか?」


「手紙を書いてセリーナの席に置いてきた」


 まさかの席替えがあったとは気が付かないジェフリー。


「まさか! 直接渡してはいないと言う事ですか?」

 毎回驚かされる側近達。


「机の上に置いてきた。その方がラブレターっぽくていいのではないのか? 流石にカバンの中に入れるなんて出来ないぞ! 勝手にセリーナの私物には触れられん」


「その辺の気遣は出来るのですね……」


「当たり前だろ!」


「セリーナ様からお返事が来るといいですね」


「セリーナはいつも必ず返事をくれる。楽しみにしてます。なんて言われたらそれだけで胸がはち切れそうだ! セリーナ好みの茶器を用意したんだ! 茶菓子は一口サイズのものを数種類準備するように言っておかなくては! セリーナの口は小さいからな」


「はいはい。伝えておきますよー」


「もっと親身になってくれよ!」


「はいはい。おしゃべりはお終い、お仕事しましょうか」


「……すまない。ノルマはこなさないとな」




 まさか別の人間に手紙が渡ることになるとは思ってもいないジェフェリーだった。