「セリーナ様、先週のお休みには話をした教会へ行かれたとの事でしたが、」

「えぇ! そうなんですの。小さい子たちがみんなで学んでいる姿を見ると、国の明るい将来が見えたようで嬉しくなりました。市民の皆さんが通えるような学校があればよろしいのにと思いました。微力ながら、父に相談して本と筆記用具は寄付させて貰える事になりましたわ」

 サムの話の途中で珍しくセリーナが興奮した様子で返事をする。

「セリーナ様ありがとうございます。みんな喜びますよ!」


「何かの足しにしていただけたらとても嬉しく思いますわ。今度教会でバザーがあるそうなので、私も寄付する事になったのです。手作りのものを持ち寄るのだそうですね。それでお二人にお手伝いしていただきたいのです」

 教会では年に一度バザーがあり周辺の方々が寄付をしたりバザーで販売するお菓子や花など手作りのものを販売して教会は生計を立てている。教会は祈りを捧げたりと市民の心の拠り所でもある。


「はい。喜んで!」


「私のように貴族が行くと皆さん萎縮されては困りますでしょう? 邸で侍女とお菓子を作る事にするので、それを販売していただきたいのです。そのお菓子の売り上げを教会への寄付にしたいと思っていますの」