婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました


 その後ジュリアナは学園の門の外の木陰に隠れていた。ある馬車が通るのを待っていた。


「きた! セリーナ様の馬車」


 セリーナの家の馬車に向かって思いっきり投げつけた。水にたっぷりつけて準備万端だ!


 投げたボールは馬車に的中し、ドンっ! という衝撃が走った。


「何事だ!」



 ジュリアナ側から見えないが、護衛騎士が出てきてジュリアナはすぐに捕らえられた。


「まさかリークされた情報が事実だとは……念のため警備を強化しておいて良かった。あ! セリーナは見ちゃダメだよ!」


 ジェフェリーが馬車から降りて現場を確認している。

「まさか王太子と婚約者が乗る馬車に、害を加えようとするとは……命知らずな。牢に、いや、王都から追放、二度と足を踏み入れないようにしてくれ。家族がいるのなら家族も連帯責任とする。また暴れるようならば、国外追放とする。この件に関しては陛下もご存知であり私が一任されている」



「「「「「はっ!」」」」」