「どうしました? 元気がないようですが」


 側近の一人がジェフェリーに言った。


「セリーナが楽しそうに男子生徒と話をしていた……私がいるのに酷いではないか!」


「殿下……セリーナ様をお茶にお誘いしなかったんですか?」


「声をかけるタイミングが分からん……。教室へ世話役の生徒を送って行きセリーナを見るので精一杯だ」


「ジュリアナさんですか」


「そんな名前だったか?」


「……セリーナ様以外に興味がなさすぎですね」


「顔の見分けがつくくらいだな」


「早く交流の場を! セリーナ様のデビューを待っていては遅すぎますよ」


「分かっているよ」