「君以外の平民の生徒は皆良い成績を修めているよ。下位の生徒は貴族だから退学にはならない。入学の際に多額な寄付金を入れているからね。問題さえ起こさなければ良い」


「お金なの?!」

 なにそれ! 貴族はバカでも問題さえ起こさなければいいって? そんなの矛盾でしょ! 私よりバカが存在して学園に居られるなんて! しかも成績が張り出されるのは上位の十五位までだから、それ以下は個人で知るしか無い。ズルいわ!


「君たちは授業料も寮の費用も食事も全て貴族の寄付金で賄われているから当然成績が悪いと退学になる。学ぼうとしないものにタダで飯を食わせる事はしない。学園はボランティアではない」


 キッパリと学園長は言った。でも一つ間違いがある!


「お父様が入学金として寄付したでしょ?」


 私には切り札がある。入学金を支払っている。そこら辺の平民と一緒にしてほしくは無いのよね! ふふん。



「そこそこにね。君の学園生活一年分にも満たない額だ」

 一年に満たない? 確かにご飯は美味しいし部屋も個室で寝心地のいいベッドだけど、それくらいでしょう? え? 教師は国内で最高の人材を揃えている? 教授は世界でも最高峰の研究者? へ、へぇ。知らなかった。


「……お父様が入学金をケチったの? またお金を入れれば良いの?」

 世の中金だ! と言いたいの?

「言っただろう? この学園は私の采配でいろんなことが決められる。私にはその権利がある。王立学園の学園長として、王家の一族として」