この方はまた何か問題を起こすおつもりなのかしら? 先日あれだけ注意を受けましたのに。問題が多いと学園長様が出て来てしまいますわ……それだけは避けないとジュリアナ様の学園生活に影響が出て来てしまいます。

「また良い子ぶって! 王族の婚約者ってそんなに偉いわけ?」


「……ジュリアナ様、口が過ぎますわよ。まずは落ち着いてください。場所を変えましょうか?」

 王族の事を軽々しく口にするなんて。これはいけませんね。まずはジュリアナ様を落ち着かせて……お茶でも飲んでゆっくりと話を聞こうと思いました。


「あら! それは良い考えです事」


「……それではあちらに移動しましょう?」


 とにかくここから離れないと。と思い歩き出しました。ここは人の目につきますものね。ジュリアナ様の前を通ろうとすると何かに足を引っ掛けて思わず転んでしまいました。


 その拍子に机に体をぶつけて、膝は床につき、手首を捻ってしまった様です。

「きゃっ」


「「セリーナ様!!」」


 すぐに近くにいたサムさんとダニエルさんが近寄ってきました。


「大丈夫ですわ、ご心配おかけしました」


 と立ち上がろうとしたら



「いたっ……」


 足も捻ってしまった様です。


「人を呼んでまいります!!」