「あら? 隣同士に座っちゃって。思ったより順調ね」

「えぇ。セリーナが可愛すぎて顔を見ていると言葉が詰まります。横にいてちらちら見る方が、会話が成り立ちますから」

「そういう理由……まぁ良いわ。それより市民の噂についてだけど、」

「腹立たしい! あのゴシップですか!」

「なんのことですの?」

 首を傾げるセリーナ。


「セリーナの耳に入れるのは嫌だけど嘘はつきたくないから隠さずに言う。私がセリーナと婚約を解消して、あのジュリアナとか言う娘と結婚するとかなんとかで、平民から王妃になった例はないから身分差の愛とか言われていた。あり得ない話だ!」


「……そうでしたの」


「なぁに、セリーナその顔」


 王妃様が何かを察した様でした。婚約破棄をして自由にさせて差し上げたいと相談をしたことがありましたもの。