「お父様! これニセモノなのっ!?」

 とてつもない勢いでジュリアナが商会にいる父の元へとやってきた。急な事で驚くジュリアナの父。


「ジュリアナ、学園はどうしたんだ?!」


 学園は許可なく外出してはいけない規則になっている。校則違反に当たる行為だった。


「そんな事今はどうでもよろしいのです!! それよりも、これ! ニセモノを渡してくるなんてどう言う事! お父様のせいで恥をかいたのよ!」

 例の髪飾りをドンっと音を立てて机の上に出した。今思い出してもムカムカする! あのすました顔! ちょっと美しくてちょっと身分が高いだけじゃないの! 侯爵家の令嬢じゃなかったら価値ないわよね!