「まぁ! 毎朝たまごを?」

「はい、毎朝鶏と格闘するのが僕の仕事でした。それから野菜を収穫して朝食にします」

 身振り手振りで、おもしろおかしく話をするダニエルを、興味深そうに見るセリーナ。

「ダニエルさんは新鮮なものを召し上がっていますのね」

 しみじみと心からでた言葉に尊敬の色さえ感じられる。


「ははっ。そうなりますね、セリーナ様に仰っていただくと贅沢をしていたような感覚に思えます」



 クラスメイトのダニエルさんが仰いました。朝から働き朝食には採れたてのものを家族揃っていただくのだそうです。


 ダニエルさんのお家は牛を飼っていて、牛乳を王都に卸しているのだそうです。家族総出での乳搾りのお話も為になりますわね。すると大きな声が聞こえて来ました。


「はい! こちらこそ」

 あらジュリアナさんがジェフェリー様に教室まで送って貰ったようですわ。


 いつもならすぐに教室を出て行くジェフェリー様なのに今日は名残惜しそうに教室の前に立っておられますわね。まだジュリアナ様に用事があるのでしょうか?