婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました


「ふむ。よく見ると中に気泡があるな。本物とは到底思えない。これを本物と言い買ったのであればすぐに連絡したほうがいいぞ。逃げられんうちに。鑑定士を呼ぶか?」

「えっ!」

「イミテーションをイミテーションとして売るのには問題はないが、イミテーションと分かっていて本物として売る行為は詐欺だ」

「そう言うことならこの問題は解決ということでよろしいですな?」


 副学園長が言った。

「えぇ。お二人にはご足労おかけしました」

 ジェフェリーが言うとセリーナも立ち上がり二人に頭を下げた。そして二人は出て行った。