え……。

 唇を離すと魔王様は驚いているわたしを見ながら笑う。

「やば、予想以上に甘すぎ」
「もっと足していいか?」


「い、いいよ、(みつる)くん」


「名前……」

「あ……」

 わたしの顔が熱くなる。


涙花(なみか)、可愛すぎ」


 魔王様はそう言うと、真ん中のハートのチョコをくわえ、口移しキスをする。

 わたしも魔王様も幸せそうに笑う。


 今年のバレンタインは魔王様のせいで極上にとろけそうだ。