その3


「…和田さん、こうなると今度お会いになる、丸島さんの高校時代の友人が受け取った手紙への血のりのあるなしも重要ポイントになりますね」

「ええ。何しろ丸島の高校時代の同窓生という水野氏は、百夜殺しの呪いを文字通り百晩をクリアした人物です。とにかく、しっかり話を聞いてきますよ」

「お願いします。自分は、今晩中にもこの”現物”は国上さんの元に届け、血のりの開封阻止を委託してきますよ。和田さん…、その三浦さんに変調や異変があったら、すぐにこちらへ報告願います」

「了解です。彼女とは私の後輩教師が毎日確認を取ることになっていますので、鷹山さんには私からリアルタイむで連絡します。何としても彼女を救ってやりたいんです!どうぞ、国上さんにもよしなにお伝えください」

「わかりました。…丸島さんを救えなかった教訓をしっかり生かして、きめ細かくコトに当たりましょう、和田さん!」

ここで二人は固く握手した…。


***


「では、都内で水野さんから話を聞けたら、その場から連絡しますよ」

「可能であれば録音もお願いします。百夜殺しを踏破した貴重な声はぜひ、音声で確認したいので…」

和田は大きく頷いていた…。

”水野さんにはあらかじめ、丸島があの手紙を送りつけた経緯は伝えてある。ここ、アライブのサイトにも目を通してくれるように頼んでおいたし、開けずの手紙の呪いにも最低限の把握はしてくれてるはずだ。一体、彼からどんな話が聞けるのか…”

その夜、彼は寝床に入った後も、水野へ尋ねる項目を頭の中で整理していた…。