「蒼くん!」


「相変わらず、高いところには手が届かへんのやな。ほらこれ、取りたかったんやろ?」


「うん。ありがと…」


そう言って受け取ろうとすると、なぜか手を引っ込められた。


「え?どうしたの…?」


「これ本命のためのもんなんかと思うて」


「…?そ、そうだよ」


「んー…じゃあ渡したない」


「いきなり何?返してよ」


「嫌やね」


「もう!蒼くんの意地悪!」


どうしようもなくなって少しだけ頬を膨らまして怒る。