「クソッ…！」


ふいに大きな声がして、弾かれたようにその方向を見ると、倒れていた先輩が起き上がってこちらを睨んでいた。


「お前…いきなり何なんだよ！」


怒鳴る先輩を前に蒼くんはこう言った。


「突き飛ばしたことなら謝ります。でも…」


そこで、一度深呼吸をした蒼くんは真剣な表情で続けた。


「優奈はあんたのことがすっごく好きやった。今日の告白のためにずっと頑張ってきとった。その思いを必要以上に踏みにじったことは絶対に許さへん」


蒼くんの鋭い眼光が先輩を射抜く。




「せいぜい覚悟しとけや」