私に残された365日はとても、輝いていた

「失礼します。転校してきた磯田ですが」

「あ、お待ちしていました。私、遥ちゃんの担任の小雲美兎<こぐもみう>です」

「あ、どうも。遥の叔父の磯田圭介です」

「これからよろしくお願いします。……遥ちゃんも、よろしくね?」

小雲先生が、私と目を合わせてそう言う。

思わず圭介さんに助けを求めると、目線で挨拶しなさいと、訴えてくる。

「……磯田遥です。よろしくお願いします」

「うん。よろしくね!」

満面の笑みでそう言ってくれた先生。

その笑顔を見て、この先生は良い先生なんだなと、心から思った。

キーンコーンカーンコーン

「あ、朝学活が始まったみたい。さっそくだけど、教室に行きましょうか」

えっ……心の準備が……。

元々人と話すのが苦手な私が、クラス全員の前で自己紹介なんてできない……。

「保護者の方……?は学校のことをお話ししたいので、校長室に行ってもらってもいいですか?」

「あ、はい。わかりました」

「場所はわかりますか?あいにく今は案内できる教師が残っていなくて」

先生がそう言うと、圭介さんは大丈夫ですと言うように片手をあげる。

「あ、俺卒業生なんで場所わかります」

えっ?圭介さんってここの卒業生なんだ……。

知らなかった。

「そうですか、助かります。じゃあ遥ちゃん、教室に行こっか」

「はい」

「はるちゃん」

先生と職員室から出ようとすると、圭介さんに呼び止められる。

「頑張れよ」

「……うん!」

私は圭介さんに小さく手を振って先生について行く。

「はるちゃんも、あと1年しかないなんてっ……」

圭介さんが悲しそうにそう言っているのを、私は知らなかった。