「いいじゃん。それ」

「でしょ」


夢のまた夢の話。


だけど、考えてるときはすごく楽しいの。



「だったらさ……」

繋がっている手が解かれて、持ち直したゆうくんはポケットから何かを取り出して。


それを私の左手の薬指にソッとつけた。


ピンクゴールドのリング。

中央にキラリと光る石。




え……

これって……


勢いよく顔を上げると、照れくさそうに笑うゆうくんがいて。


「ずっとあげるタイミング見計らってた」



えっ……えっ、

待って待って。


頭が上手く回らなくてプチパニック。



「準備が整ったらちゃんとしたのあげるから。それまでの予約」


チュッと指輪にキスをして。


クシャッと笑ったゆうくん。



「陽葵の夢、俺に叶えさせて」



胸がはち切れそうなくらい幸せが込み上げてきて、涙が溢れた。