「いたた、だっていつも美味しそうに食べてるから」


そりゃ美味しいけどさ〜


今は違うんだってばっ!!



「ごめんごめん」


謝りながら逃げるゆうくんに、私はわかりやすく頬を膨らませた。



もしかしたら当ててくれるかなって期待してたのに。



「ほーら、そんな顔しないの」

かかんで目線を合わせてくれるゆうくんに、少しドキッとして。


こう言うときって私って単純だなって思う。



“好き”の方が勝って、許しちゃうんだもん。



「2つね」

「え?」

「ケーキ2つ」


その言葉にゆうくんはクシャッと笑って。


それにまたドキッとして。


「りょーかい」



かかんでいた体制を戻すゆうくんを目で追っちゃうんだ。


ほんと、単純だよ。私。