今日の行動から、蓮のそんな言葉信じられるわけがなくて眉間にシワがよる。

だけど……何故か今回だけは信じられる気がして。



たぶん“そんな顔初めて見た”とか“大事にしてる”とか、蓮の口から聞いたせいだと思う。


……。



信じてない訳じゃないけど、念には念を。



陽葵のもとへ行き「今から風呂に入るけど、蓮に何かされたら言って。すぐ出るから」そう伝えて俺は風呂に向かった。






  * * *


鼻をかすめるような優しくて甘い匂い。


この匂い、花か……?

それにしても甘すぎる気がして。



ゆっくり浴槽の中に入り、ただ何となく天井を見つめる。


この香り、嫌じゃない。



きっと陽葵が入浴剤入れたんだろうな。


天井から落ちてきた水滴が俺の頬に当たる。



う、わっ……!