「終わりって言っただろ」

「ゆぅ、くん」


私の腕を掴む力は優しいのに、ギロリと蓮くんを睨む姿はちょっぴり怖くて。


気のせいか不機嫌そうにも見える。



「陽葵、風呂出来たから入ってきな」

「ぅん……」


私を掴んでいたゆうくんの腕からスルリと抜けて脱衣所に向かった。






  * * *


ちゃんと髪の毛も乾かして、ガウンを羽織る。

リビングへと続くフローリングを歩いてるとゆうくん達の話し声が聞こえて。


ここからじゃ何話してるかわからない。



「あ、待って……!」

そんな声が聞こえたと思ったら、今にも走り出しそうな勢いのゆうくんが見えて。


ちょうどリビングに着く頃だったからビックリして立ち止まったんだけど、目の前に私がいる事に対してゆうくんはビックリしていた。