「将来結婚したらこんな感じなのかな」


優しい声に、鼓動が早くなる。



まるでプロポーズみたいで……。



キュッとゆうくんの服を掴む。

すると、ゆうくんは私の手の上から自分の手を重ね、優しく握った。


「んっ……」


チュッとリップ音を立てて重なった唇。


唇が離れると至近距離でゆうくんと視線が絡み、恥ずかしくて目を伏せた。


「ん……っ」


再び重なった唇は、すごく軽いもので……すぐに離れた。



ギュッと抱きしめたゆうくん。

ドキドキしてるのがバレちゃいそうで。



「ちょっと後悔。バイト前にするんじゃなかった」


“どうして?”って聞きたいのに……ギュッと抱きしめられてて、顔があげられない。

だからゆうくんの表情が見れなくて。


「陽葵のこと思い出して集中できないかも……」