その甘さ、毒牙につき


一瞬ドキッとしてしまって、慌てて目を逸らした。



う……ちょっとあからさますぎたかも……。



「…そう。じゃあ、僕の部屋に来て」



それに気づいたのか気づいていないのか、私の手を引いてゆっくり歩いていく。



さっきも繋いでいたのに、全然違う感じがする。



……今、ここに瑞樹くんと2人っきりってことだよね。



学校の教室で…というのは今までに何度も経験してきた。



でも…本当の“2人きり”というのはこれが初めて。



緊張とドキドキで、どうにかなってしまいそう。