その甘さ、毒牙につき


だったら私には、それを守る義務がある。



「そっか…残念だけど、仕方ないね」



眉を下げる西条くんに、罪悪感がじわじわくる。



「う…ごめんね」



「ももちゃんが謝ることじゃないよ。俺が勝手に来ただけだし。気にしないで」



「うん…」



なんて優しい人なんだろう…。



瑞樹くんだったら、きっと文句の一つや二つこぼしている頃だ。



「じゃあ…ももちゃん、また今度ね。瑞樹くんも」



「もう来なくていいよ」



そう言ったのは瑞樹くん。



ちょっと仲良くなった気がしたのは、私の見間違いだったのだろうか…。