その甘さ、毒牙につき


「よろしくね、瑞樹くん。ももちゃんの紹介にあった通りだよ」



瑞樹くんの手を差し出し、握手を求める西条くんにほっとした。




うん、これでなんとかなりそう。



修羅場(?)はくぐり抜けた…と思ったけど、瑞樹くんはどうやら納得いかないようで。



「……別に、聞いてない」



ムスッとした顔でそっぽを向いてしまった。



な……!



「ちょ、ちょっと瑞樹くん…!?失礼だよ!」



仮にも仲良くしようとしてくれているのに、そんな態度とったら流石の西条くんだって怒っちゃうよ…!



さっきよりも焦っていたら、数秒間黙っていた西条くんが「ぶはっ!」と吹き出した。