その甘さ、毒牙につき


とりあえず、お互いに自己紹介してもらって仲良くなってもらおう作戦だ。



そもそも、瑞樹くんが西条くんを嫌う要素は今のところ何も無いはず。



「で…西条くん、こっちは瑞樹千冬くんです。一緒のクラスで…」



…あれ?



普通に紹介しようと思ったのに、ここでまた問題があった。



…私にとって、瑞樹くんはどういう存在なんだろう。



彼氏でもなければ、友達でもない。



友達以上恋人未満なんてものでもないし…。



少し困っていたら、西条くんは笑顔のままで「そうなんだ」と頷いてくれた。