その甘さ、毒牙につき


好きな人と手を繋げてドキドキ…!という甘酸っぱいものではなく、違うドキドキに悩まされるとは。



いっそのこと走ってでも校門から出ようかな…。



なんて考えていたら、どこからか視線を感じて足を止めた。



「もも?どうしたの?」



「な、何でもないよ…?」



瑞樹くんは立ち止まった私を怪訝そうな顔で見たあと、校門の前で立っている人物を見つけて眉間にしわを寄せた。



明らかに私をガン見しているイケメンが、道行く女子の注目をこれでもかというほど集めている。



今日もキラキラ笑顔が眩しいですね…。