その甘さ、毒牙につき


もう夕方だというのに、疲れを全く見せないキラキラスマイル。



むしろ、夕日に照らされてもっと輝いて見えるね。



「えっと…ももちゃん?」



「あ…はい。えっと…伊咲もも、です」



西条くんは私の苗字を知らないから、当然下の名前で呼ばれる。



当たり前なのに、一瞬ドギマギしてしまった。



「伊咲さん、さっきはごめんね。初対面なのに、失礼だった。反省してます」



突然頭を下げるから、慌てて手を振る。



「え…いや、全然気にしてません…!」



「……そう?」