歩こうとしたはずの足はもつれ、そのまま倒れ込んでしまう。 っ、転んじゃう……!! 私に受け身だとかをとれる技術は持ち合わせていないため、どうすることもできない。 これからくるはずの痛みに耐える他ないのだ。 「ぅっ………って、あれ…?」 目を瞑っていたけれど、痛みなんて一向にやってこない。 それどころか、優しく包み込まれている感覚。 「…はぁ、あっぶな。なにしてんの、ドジっ子ももちゃん」 目を開けると、そこにはさっきと同じくらい近い距離に瑞樹くんの整った顔があった。