その甘さ、毒牙につき


「んっ…」



目の前が真っ暗になって、唇が柔らかいものに塞がれた。



小さく漏れた私の声を聞いて、顔に熱が集中する。



「…顔真っ赤。かーわい」



「っ…キス、した…」



私のファーストキスは、瑞樹くんに奪われてしまった。



「…ダメだった?」



瑞樹くんはほんとにずるい。



「…だめ、じゃない…」



だって、本音は恥ずかしくて言えないよ。



軽く触れるくらいの優しいキス。



初めてだったけど、想像していた何百倍も甘くて幸せで。



もっとして欲しい…とか、思っちゃったもん。