狼鬼×姫様 ✤バレンタイン篇✤ 〜和桜生徒達の物語〜

「な〜んでもなーい」


何かを言おうと口を開いたけど、わざとなんでもないように振舞った


「言いたいことあるなら早く言えよ、キスするぞ」


こんな時間までもが幸せと感じる


私の右隣には頬杖をつきながらテレビを見ている夏葵くん


「つーか、いい加減夏葵って呼べよ。俺だけ好きみたいじゃんか」


「…。まだ照れるから言わな〜い」


「俺の方こそ照れるのに、舞冬花呼びじゃん」


と、こんなやり取りを2分くらいした時、夏葵くんはしびれを切らしたのか、ソファに座ってさらに私を膝の上に乗せた