見る間に小屋は焼け落ちた。
何処からか大勢の人が現れて後始末をしている。
焦げた木と何か分からない変な匂いがする。
鼻につくその匂いに血の匂いも混じっていた。
目の前にいるリシウス陛下からも、微かに血の匂いがする。
……まさか?
「リシウス陛下、怪我をしているのですか?」
よく見れば彼の着ているシャツに血が付いていた。
「怪我? そんなのする訳無い。僕は強いんだよ、王様だから」
彼は私に向け優しく微笑んで見せた。
それを見たアダムさんは、感極まったように目を潤ませながら口を押さえている。
「でも、血が付いているわ」
「血?」
私の視線をたどり、リシウス陛下は自身の着ている服に目を向ける。
汚れた部分を見つけると、目を顰めて服を脱ぎはじめた。
「きゃっ」
急な事に私は顔を両手で覆い隠す。
だって男の人の裸なんて見た事がないもの……!
「もういいよ」
クスッと笑ったリシウス陛下が私の手をそっと取り除ける。
そこには、清潔な白いシャツに着替えている彼がいた。
美しい銀色の髪が夜風になびき、松明のオレンジ色の灯を受けてキラキラと輝いている。
私に優しく細められる青い瞳も。
こんなに何もない場所なのに、輝いて見えるなんて、やっぱり……王様は普通の人とは違うのね。
「帰ろう。メアリーの傷の手当てをしないといけない」
アダムさんに告げたリシウス陛下は、私を軽々と抱き上げると近くに置いてあった馬車へ乗り込んだ。
何処からか大勢の人が現れて後始末をしている。
焦げた木と何か分からない変な匂いがする。
鼻につくその匂いに血の匂いも混じっていた。
目の前にいるリシウス陛下からも、微かに血の匂いがする。
……まさか?
「リシウス陛下、怪我をしているのですか?」
よく見れば彼の着ているシャツに血が付いていた。
「怪我? そんなのする訳無い。僕は強いんだよ、王様だから」
彼は私に向け優しく微笑んで見せた。
それを見たアダムさんは、感極まったように目を潤ませながら口を押さえている。
「でも、血が付いているわ」
「血?」
私の視線をたどり、リシウス陛下は自身の着ている服に目を向ける。
汚れた部分を見つけると、目を顰めて服を脱ぎはじめた。
「きゃっ」
急な事に私は顔を両手で覆い隠す。
だって男の人の裸なんて見た事がないもの……!
「もういいよ」
クスッと笑ったリシウス陛下が私の手をそっと取り除ける。
そこには、清潔な白いシャツに着替えている彼がいた。
美しい銀色の髪が夜風になびき、松明のオレンジ色の灯を受けてキラキラと輝いている。
私に優しく細められる青い瞳も。
こんなに何もない場所なのに、輝いて見えるなんて、やっぱり……王様は普通の人とは違うのね。
「帰ろう。メアリーの傷の手当てをしないといけない」
アダムさんに告げたリシウス陛下は、私を軽々と抱き上げると近くに置いてあった馬車へ乗り込んだ。