「ねえなんでさ、なんで翠は俺だけを見てくれないの?」
「……え?」
「お前って、痛い思いをしないと……わかんないの?」
お前……?お前なんて…言われたことなかったのに…。
彪雅の目から、光が消えた気がした。
この日からだった。彼を本気で怖いと思い始めたのは。
彼の目に愛なんてなくて、今目の前にいる彼から感じたのは________殺意。
好きなのはあなただと、あなたのそばにいると、言葉にしてあげないと……
「私には彪雅しか……」
バンっ!!
……え。……いまなにされた?
ほっぺが痛い。ジンジン傷んでくるほっぺを押さえながら我に返った。
手から伝わる頬の痛みで、ビンタされたんだと気づいた。
今までどんな束縛にも文句は言わなかった。彪雅のせいで涙を流したこともなかった。
暴力という形で受けた束縛で、初めて涙がこぼれた。
痛いのに………心が苦しい。胸がズキズキする。
