「で、でも…別に付き合ってるわけでもないですし…」
「それでも、紫月様は神谷様を大事に思っていると思いますよ。」
大事に思ってる……か。
実際に紫月がそう思ってて、私はどう思ってるかとは、はっきり言葉にできない。
ましてや私はなにも持ってないし、なにもあげられない。
なんのリターンがあって、私と会ってくれてるんだろうか。
「長々と身の上話を…すみません。もうすぐ到着いたしますので。」
「あ、いえ。ありがとうございます。」
会話を終える頃にはもうビルの駐車場に入っていた。
前回と同じ場所にゆっくりと停まり、ドアを開けて降りようとしたとき。
「あ…あの、送っていただきありがとうございました。」
