ミラー越しで目があって、運転手の方は少し嬉しそうな表情だった。
私が初めて……なんだか恥ずかしくなって下を向いた。
「もちろん、あのビルに紫月様以外の方を送ったのも、前回が初めてでした。」
ん?紫月以外ってことは……久我くんたちも行ったことがないってこと?
「…えっと…男性も、今までいなかったんですか?」
「ええ。あのビルの送迎は、いつも紫月様だけでした。」
つまり…男女含めて、あの部屋に入ったのは私だけ…。
って、送迎をしてないだけで、部屋に入ってる可能性は全然あり得るし……
でもほんとに私だけだったら……すこし嬉しいかも。
「紫月様が幼い頃から運転手をさせていただいているので、勝手ながら少し嬉しく思ってしまいまして。」
