もう一度、君の笑顔を。






「暁良でも入ったことない部屋に入れる翠ちゃんって……まじで何者なの?!」


「翠は色仕掛けとかできないタイプだと思うけどな〜。まあ普通にデートに行った可能性もゼロじゃねえだろ。」


興味がないふりをしてスマホをいじりながら、2人の会話を聞いていた。


まじで、どういう風の吹き回しなんだ……。

わざわざ俺に迎えに行かせて、数時間後には仕事があるのに、その合間に女に会うなんて、そんなことしない男だった。

仕事関係のつながりで、抱かれた女が付き合ったと勘違いしたくだりは何度も見てきたけど、明らかに今回は違う。

神谷翠を見る、紫月の目が違う。俺らに向けるものとは別物すぎる。



まあどちらにせよ、警戒しなきゃいけない。

一条グループの護衛を課されている東雲一家の1人として、紫月に近づく人間のことは調べないわけにはいかない。

神谷翠……ね。