61階で止まったエレベーターを降りて、紫月はまた私の手を引いて歩き出した。
一本の廊下道になっていて、すぐに大きな扉にぶつかった。
そこに入ると、とんでもなく広いガラス張りの部屋だった。
「…えっ。なに…ここ。」
「気に入った?俺の場所。」
「…綺麗。」
教室から連れ出されてここにくるまでで、少し日が暮れていたみたいで、180度に広がる街並みの奥に、綺麗な夕焼けが見えた。
「翠、こっち来て。」
「う、うん。」
さっき幹部のみんなといた時とは、雰囲気が全然変わった。今は出会った時と同じくらい、優しい雰囲気が伝わってくる。
生活感はないけど、生活に必要な家電や家具は揃ってる部屋で、紫月は部屋の真ん中に置かれた10人以上が座れそうなでっかいソファに座ったから、私も隣に座った。
