過去を言われるくらいなら百歩譲って我慢できた。
でも、彪雅がトドメとして出してきたものは、耐えられないものだった。
彪雅のスマホに映っているのは……付き合っていた頃の私。
何度も殴られて傷だらけになった私が、行為をしているところを撮った動画だった。
なんで……なんでこんなのが……。
2年前の自分をこんな形で見ることになるなんて。
胃が痛くなってきて、吐き気にまで襲われた。
もう言葉も……喉がつっかえて出てこなかった。
「こんな過去、見せられたくないだろ?」
「………。」
「その男と縁切れ。」
「………。」
「その男にとっても、俺にとっても、どっちを選ぶのが正しいか、分かるよな?翠のすべてを受け止められるのは、俺だけなんだよ。」
この動画を見た紫月は、なんて言うんだろう。
好きな女がこんなになってる姿を見て……軽蔑するんだろうか。
「翠の過去も今も、1番愛してるのは俺だから。」
