もう一度、君の笑顔を。





彪雅だったら絶対にありえない状況に、びっくりしてしまって。



「……殴らない、の?」


「は?」


そう言えば、また不機嫌そうな顔に戻って



「好きな女殴るなんて、……翠にいくら頼まれたってしないよ?」




当たり前だろって言い方。

紫月の言葉や言い方に、私はひどく安心してしまって。

付き合ってはいないけど、男の人はこういうときに必ず人が変わるもんだと思ってた。



「帰ったら、ちゃんと殴られたとこ見せて。」


「もう痛くないから大丈夫だよ。元はと言えば、挑発した私が悪いんだし。」


「……もう言わないで。」



ちゅっと、軽くキスをしてきた。


まるで飼い犬みたいに黙ってしまう私は、すっかり紫月に従順な女になってしまった。



「翠が悪いことなんて一つもないんだってば。」