もう一度、君の笑顔を。






「……言わなくていい。」


「…え…?」


「翠がこうなったのは、翠のせいじゃない。」




紫月はいたって真面目に私を肯定した。

なんで……?よく知りもしない私に、なんでそんな言葉をかけてくれるの?

優しくされても、弱くてなんもできやしない私なのに。




「翠は悪くない。」


「……。」




その言葉を聞いた途端にまた涙がこぼれて、シトラスの香りに包み込まれた。




こんな言葉をくれる人も、こんなに優しく抱きしめられたのも初めてだった。

他の人だったら入ってこない言葉も、紫月の言葉だと分かれば心にスッと入ってきた。

久々に感じた人の体温。こんなにも温かくて気持ちのいいものだったんだ。