「……言わなくていい。」
「…え…?」
「翠がこうなったのは、翠のせいじゃない。」
紫月はいたって真面目に私を肯定した。
なんで……?よく知りもしない私に、なんでそんな言葉をかけてくれるの?
優しくされても、弱くてなんもできやしない私なのに。
「翠は悪くない。」
「……。」
その言葉を聞いた途端にまた涙がこぼれて、シトラスの香りに包み込まれた。
こんな言葉をくれる人も、こんなに優しく抱きしめられたのも初めてだった。
他の人だったら入ってこない言葉も、紫月の言葉だと分かれば心にスッと入ってきた。
久々に感じた人の体温。こんなにも温かくて気持ちのいいものだったんだ。
