三日後、私はお茶会の会場へ向かう馬車の中で、湧き上がる不安を抑えていた。
王都に住んでいるはずの研究者と、連絡が取れなくなっていたのだ。手紙の返事が一向にこないので、昨日は研究施設まで行ってみたがもぬけの殻だった。
もしかしたら、研究がうまくいって施設を移したのかもしれない。この茶会が終わったら本格的に調べなければと思っていた。
お茶会はルノルマン公爵家の庭園で行われる。王太子妃の判定は三大公爵が担当していて、今はルノルマン公爵が審判らしい。
馬車が屋敷の前で静かに止まり、ビオレッタをエスコートして会場へと足を進める。お茶会に参加している間は、ビオレッタを愛する夫を演じなければならない。
通された庭園はそれはもう見事に花が咲き乱れ、会場を華やかに彩っている。用意されたテーブルにはすでに招待客が着いていた。
夫婦での参加者は私を入れて三組で後はご婦人ばかりだが、いずれも発言力のある高位貴族ばかりだ。アリステル公爵夫妻とコートデール公爵夫人の姿も見える。
だけど、参加者のひとりに目が釘づけになった。
ラティシアだ。



