お茶会の予定日の三日前に、王都のタウンハウスへ到着した。
研究者に投資してから、そろそろ二カ月が経とうとしている。配当金を受け取りたいのもあった。もうカールセン伯爵家の財政は切羽詰まったところまできている。
タウンハウスの執務室で研究者へ手紙を書いていると、遠慮のかけらもないビオレッタがズカズカと入ってきた。
「ちょっといつまで領地に篭ってるのよ!! 使者を出したのだから、早く戻ってくるか返事くらい寄越してよ!」
「うるさいな、領地でだって仕事があるんだ。すぐと言われても対応できないこともあるんだ!!」
そういえば、何度か使者まで寄越してきていたな。どうせ贅沢する金の無心だろうと放っておいたが。お茶会への参加については、事前に手紙を送っていたので話は通っているはずだ。
「それより三日後にラティシアが王太子妃に相応しいか、判定するための調査が行われる。準備はできているか?」
「ええ、もちろんよ。本当に面倒くさいけれど、王命じゃ断れないじゃない」
「いいか、そこでラティシアが不利になるよう証言するんだ。そうすればラティシアは婚約破棄され、ここに戻ってくるしかなくなるだろう」
「……そうね。その後はカールセン家のために尽くさせれば……」
私の言いたいことに察しがついたのか、ビオレッタは急に機嫌がよくなり自室へと戻っていった。こういう時だけはビオレッタの強欲さがうまく働く。金も名誉も女も、私はすべてを手に入れるのだ。



