告白した日、諏訪ちゃんは「今の距離のままが好き」と言っていた。
だけど、今はもうその距離とは違う。
以前と同じように話せなくなってしまった今は、諏訪ちゃんが好きだと言った距離感とは違っている。
俺の想いのせいで諏訪ちゃんを悩ませてしまっているし、辛い思いもさせている…と思う。
俺が告白したせいで、全部がグチャグチャだ。
かと言って今更あの告白を無かったことには出来ない。
あの日をやり直すことなんて出来ない。
だったら俺は、これからどうすればいい……?
……そもそも、「いつも通り」を装う必要ってあるのか?
もう以前のような関係性には戻れない。
装ってる時点でまったくの別物だ。
……だったらもう「いつも通り」にしなくてもいい…のかもしれない。
諏訪ちゃんとの距離は もうとっくに変わってしまっている。
そして、以前の関係には絶対に戻れない。
それなら俺は……もう好きなように動いてもいいんじゃないだろうか?
……うん。
じゃあ、もうやめよう。
「いつも通り」を装うのも、作り笑いで取り繕うのも、これ以上は必要ない。
諏訪ちゃんとの関係は更に変わってしまうだろうけど、ギクシャクした今の状態よりはいい。
好きなように動く。 そうすればきっと今よりもマシな状態になるはずだ。 ……と思っておこう。
最悪の場合、もっと酷い関係性になるかもしれないけど……ということは考えないようにしておこう。
「……っし、行くか」
フーっと深く息を吐き出したあと、出口に向かって走り出す。
出口から光が入ってくるおかげで足元はだいぶ見やすくなった。
これならきっと転ばない。
転んだら転んだで、その時に考えよう。
今はただ、諏訪ちゃんに会いたい。
会って話がしたい。
「諏訪ちゃんっ」
──トンネルの外まで一気に駆け抜け、無事に諏訪ちゃんと合流する。
駆けてきた俺を見た諏訪ちゃんは、とにかく驚いたような顔だった。
俺が来るなんて微塵も予想してなかった、という顔だ。



