家に着くと直ぐに母と義父が帰ってきた。

「お帰りなさい。
昨日は大変だったね、お疲れ様。」
花が2人を出迎える。

「ただいま。花ちゃん
久しぶりに会った気がするなぁ。
また背が伸びた?」
お義父さんはにこやかにそんな冗談を言ってくる。

「ふふっ、2日前に会ったばっかり。
もう大人だから背は伸びないよ。」
昔から決まって、義父は会うたびに同じセリフを言ってきた。

花がいくつになっても変わらずで、
今ではこれが2人の挨拶みたいになっている。

「ただいま、花。
包丁で指切ったんだって?
柊生君が、側にいたのにすいませんでしたって謝ってきたから、そんなに深い傷なのかと思ったけど、大丈夫そうね。」
そう言って、母と義父は花の指を見てくる。

「指ってちょっとでも切ると血がいっぱい出るから、柊君余計に心配しちゃったんだと思う。もう痛く無いから大丈夫だよ。」
花は笑ってそう言う。

義父も安心した様子で着替えをしに自室に向かっていった。

母と2人、話しながらリビングに行く。

「3人でランチ行ったんだって?   
楽しかった?」

「うん。なんか兄妹っていいなって思った。」

「お母さんも嬉しいわ。
お母さんと同じように花の事を心配してくれる人が3人も増えて、
結婚して良かったって思うもの。」