「提出期限は来週までなー」


「えぇー、せめて二週間ちょうだいよー」


「ダメだ。お前らそうやって甘やかすとそもそも期限忘れるだろ。来週までではあるけど、早く出せるやつは忘れないうちにすぐ提出すること。いいな?」



先生の声に、皆ため息混じりに返事をする。


あと一週間で出さなきゃいけないのか。


それならいっそのこと、まだ決まってないから白紙で出しちゃおうかな……。


そう悪い方に考えてしまうわたしに、先生が追い打ちをかけるように呟いた。



「そうそう、言い忘れてたけど、毎年何人か白紙で出すやつとか現実逃避なのか知らねぇけど架空の大学書いたりするやつがいるんだよ。あとさっき言った提出期限忘れてたーとか言って提出しないやつな。でもそういうやつは問答無用で進路指導室行きだからちゃんとやれよー」



……。



進路指導室に行くということは、つまり親に連絡が行き後々非常に面倒くさいことになる。


先生も嫌なのだろう、



「だから頼むから真面目に書いてくれよー」



と言い残して先生は教室を出ていった。


もう一度ため息をついたわたしは、ひとまずファイルに入れてそっとカバンの中にしまった。