戸惑うリオンにベルはニコリと笑いかけ、パチリとウインクをする。一体どこに連れて行かれるのか、リオンは少し恐怖はあったものの掴まれた手を振り解けない。
「息抜きしないと壊れちゃう」
そう言ったベルの優しげな表情に、リオンの胸が締め付けられる感覚を覚えた。
図書館から強引に連れ出され、歩かされること約十五分、リオンの目の前に一際目立つ建物が現れた。
まるでおとぎ話に登場しそうな赤い可愛らしい屋根に煉瓦造りの建物は、どこかノスタルジックな雰囲気を漂わせている。木製の看板には、「癒し屋 Daisy」と書かれていた。
「ここ、あたしの経営してるお店。一階はカフェで二階は癒し屋だよ!」
「い、癒し屋……?」
聞いたことのない職種にリオンは目をパチパチと瞬かせる。その様子にベルは楽しそうに笑うと、一階のカフェのドアを開けた。チリンとベルの音が鳴る。
「そこに座ってて。君にぴったりなお茶とお菓子を用意するから。甘いものは大丈夫?」
「えっと、大丈夫です……」
柔らかそうな白いソファを勧められ、質問に答えるとベルは部屋の奥へと消えていく。今のうちに逃げた方がいいのでは、とリオンは一瞬考えもしたものの、ふわりとカフェの中に漂うハーブのいい香りに緊張した心が解され、気が付けばソファに腰掛けていた。リオンの体は柔らかなソファに沈んでいく。
「息抜きしないと壊れちゃう」
そう言ったベルの優しげな表情に、リオンの胸が締め付けられる感覚を覚えた。
図書館から強引に連れ出され、歩かされること約十五分、リオンの目の前に一際目立つ建物が現れた。
まるでおとぎ話に登場しそうな赤い可愛らしい屋根に煉瓦造りの建物は、どこかノスタルジックな雰囲気を漂わせている。木製の看板には、「癒し屋 Daisy」と書かれていた。
「ここ、あたしの経営してるお店。一階はカフェで二階は癒し屋だよ!」
「い、癒し屋……?」
聞いたことのない職種にリオンは目をパチパチと瞬かせる。その様子にベルは楽しそうに笑うと、一階のカフェのドアを開けた。チリンとベルの音が鳴る。
「そこに座ってて。君にぴったりなお茶とお菓子を用意するから。甘いものは大丈夫?」
「えっと、大丈夫です……」
柔らかそうな白いソファを勧められ、質問に答えるとベルは部屋の奥へと消えていく。今のうちに逃げた方がいいのでは、とリオンは一瞬考えもしたものの、ふわりとカフェの中に漂うハーブのいい香りに緊張した心が解され、気が付けばソファに腰掛けていた。リオンの体は柔らかなソファに沈んでいく。


