こじらせて★おねがいっ

緒音の足枷が外れる。ドアに近づき、触ってみるが、鍵がかかっている。
「これも謎を解かないと開かないのかな」
だんだん察してきたものの、少しでも早く脱出するにはどうしたらいいのかと悩む。
少し離れた場所に、さっきのヴェールとは別の、布がかかった塊がある。
何歩か移動して布をはずしてみる。
布の下にはファイル、パソコン、名刺があった。
ただ、ファイルの中には何もなく、パソコンの電源も入らなかった。
一方次の部屋へ向かう亘二。
前には先を行く生徒がたくさんいる。
部屋に入ると、謎解きに必要と思われるヒントがいくつかある。
「壁に『花瓶の花から"1つ"足りないものを選べ』っていう文字、テーブルに食べ物と花瓶がある」
亘二が説明する。
「いいなー食べたい」
「こっちにいるからってオレも食べられるわけじゃないから」
テーブルにはドーナツ、クレープ、ハチミツが乗っており、その後ろの花瓶にはチューリップ、ひまわり、バラ、ユリが入っている。
緒音は部屋にファイル、パソコン、名刺があると説明する。
「法則があるのかな……」
緒音が考え込んでしまう。
亘二は少し心配になってくる。
「大丈夫か緒音…あっ音(おと)か!?」
「人の名前ヒントにするなし!」
「いいだろわかったんだから…ほら音階とかの」
「ハニホヘトイロ…?」
「そっちじゃなくて」
亘二がふと疑問に思う。
「なんでひねくれた答えばかり言うの?」
少し間を置いて緒音が答える。
「ひっかけにハマって脱出できなかったらと思うと怖い…それに亘二の願い事も叶わなくなっちゃう」
「この問題にひっかけはなさそうだよ、それにあくまでゲームだし…あとオレらの願い事だから」
緒音は少し落ち着いて、亘二の話に従ってみることにした。
「ドレミファソラシと考えると…バラ?」
答えを入力しながら、亘二は花瓶を見ていた。
「バラを間近で見るのは始めてだな」
「前探すゲームあったけど1本も見つけられなかったもんね…」
昨年の夫婦の日、108本のバラを全校生徒で探す、というゲームがあった。
しかし生徒は200人以上、1人で複数本見つける生徒もおり、多くは1本も見つけられずに終わってしまったのだ。
亘二と緒音も例にもれず残念な結果になったのだった。