「俺、ずっと陸上選手を目指してたんだ。でも、中学三年の大会の前に、練習で怪我をして。医者から、軽くランニングするぶんには問題ないけど、もう選手としては続けられないって言われたんだ」
恵奈はギュッと手を握りしめる。
その時の彼がどんな気持ちだったか。考えるだけで胸が痛い。
それでも恵奈は、じっと彼の話に耳を傾けた。
「今までやってきたこと、なんだったんだよって思って。しばらく荒れてたよ。……でも、セブンオーシャンのゲームやってるときは、なんか気が紛れた。そんなときに、七海学園のニュース聞いて、これに参加したら、俺でもセブンオーシャンの役に立てるかなって。そう思って、受験したんだ」
圭吾は恵奈のほうに顔を向け、歯を見せて笑う。
太陽に照らされる彼の顔は輝いて見えた。
「初めて恵奈ちゃん見たとき、俺すごくうれしかったんだ。ああ、この子が俺の次の仲間だって。この子と一緒に頑張っていくんだって。そう思えた」
圭吾は恵奈の手に手を重ね、握りしめる。
「俺にとって恵奈ちゃんは最高の相棒だよ」
恵奈は自分の瞳に涙がにじむのがわかった。
圭吾の言葉を、お世辞と言ってしまったことを申し訳なく思った。
彼は純粋な気持ちで、自分を認めてくれていたというのに。

