部屋に戻ると、圭吾はそのまま椅子に座り、「疲れた〜」と言ってテーブルに倒れ込んだ。
「けっこう割ったね〜。でも一位のあゆカジペアはさすがだったなぁ」
「最後のほう、圭吾くんかなり無理やりでしたよね! もうハグじゃなくて、なにかの技かけられてるみたいだった!」
「真剣にやってただけだよ! 恵奈ちゃん、それ見て笑っちゃって、全然力入ってないんだもんなぁ」
終盤、必死で力を込める圭吾を間近で見ていたら、吹き出してしまい、恵奈はそのまま笑い続け、ゲームは終了となった。
恵奈は思い出し、口に手をやってクスクスと笑い声をあげる。
「さっきも思ったけど、恵奈ちゃんって、そうやって笑うんだね」
「……え?」
「笑うと、もっと可愛いね」
圭吾の言葉に、恵奈は「……ええっ!?」と声を上げる。
動転する恵奈とは対照的に、圭吾は真面目な様子で微笑んでいた。
「そ、そそ、そんなお世辞いいですからっ!」
「なに言ってるの、本気だって〜」
「だとしたら圭吾くんって、かなりチャラいですね。そんな軽々しく可愛いとか……」
「なにそれ心外! 俺かなり一途なタイプなんですけどっ」
圭吾は恵奈の手を取り、強く握りしめる。
その時、恵奈の心臓がひとつ大きく跳ね上がった。
「可愛い、なんて誰彼かまわず言わないよ。恵奈ちゃんにだから、言うんだよ」
いつになく真剣な眼差しを向けられ、顔がほてっていく。
(どうしよう。目が離せない……)
心臓の音まで聞こえそうな緊張感の中、高い機械音が部屋に響く。
それはスマホの着信音で、恵奈のスマホからのものだった。
「ご、ごめん。電話みたい。出てくるね」
圭吾はおとなしく手を離す。
恵奈はバタバタとカバンからスマホを取り出した。

